経験者が語る場面緘黙症を克服するまでの道のりと周りの人のサポート

場面緘黙症について
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前回の記事で、場面緘黙症の詳細と私が発症した経緯についてお伝えしました。

場面緘黙症について~経験者が語る私が発症した理由~
あまり多くの人に知られていない場面緘黙症の詳細について記事にしました。この症状に関する認識を広めていくことで、一人でも多くの人の支えになれればと思います。

今回は、私がどうやって克服したのか、そして場面緘黙症を患っている人に対してどう接していくべきかをまとめてみました。

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克服するまでの経緯

克服することは簡単ではありませんでした。

今、悩んでいる方にとっては厳しいことかもしれませんが、本人にもかなりの覚悟がいります。

大人になれば自然と治ると思われがちですが「自然に」治ることはあり得ません。
意識しなくては治らないのです。

しかし、この症状を持っている人は、周りの人よりも自分の症状についてちゃんと把握しています。
周りから見ると、甘えているように見えたり、いつになったら喋るの?と思われていたりしますが、
それは本人が一番よくわかっています。

だからこそ、この矛盾した状況がとてももどかしく、自暴自棄に陥ることが多々あるのです。

自分を変えるタイミング

これは誰にでも当てはまることだと思うのですが、
改善できるチャンスは、環境が変わる時。

小学生の6年間で変えられなかった私は、
中学生になる時しかない!そう心に決めていました。

といっても完全に環境が変わるわけではないので、すごく慎重でした。
人数が少ないとはいえ、小学校を共にしてきた同級生も同時に同じ中学校に上がるので、
6年間一緒にいた友達の前でいきなり喋りだすことにより、
さらに注目の的になってしまうことを恐れました。

しかし、ひとつの偶然が私を変えるきっかけとなりました。
小学生の時、私はw-inds.というアイドルグループがとんでもなく好きで、
そのグループのロゴが入ったキーホルダーを鞄につけていたのです。
すると、違う地域から来た同級生の一人が私の元へやってきて

w-inds.好きなん?

と嬉しそうに声をかけてきてくれたのです。

ここでどう返すかで、今後の人生に関わってくるぞ
と思った私は思い切って

「うん!」

頷くだけではなく、声に出してみました。
そこからその友達の友達がやってきて

よかったな~(友達の名前)、w-inds.好きな子がおって!
キーホルダー見て話しかけるかソワソワしててんで~!

というような感じで寄ってきてくれたのです。

その明るい雰囲気にのまれ、
私はいつのまにか、その子たちと普通に話せるようになっていました。
そして徐々に、他の子たちとも話せるようになりました。
最初は慣れるまで苦労しました。

6年間話していなかった友達に話しているところを見られたり、話しかけられた時は
すごくドキドキしていましたし、
やはりその友達の前では口数が少なくなっていました。
しかし、ゆっくりと時間をかけて少しずつ話せるようになっていったと思います。

小学生の時の友達の一人が、私と話した時に

話せるようになったんだね~!よかった^^

と優しく迎えてくれた時、複雑な気持ちと嬉しい気持ちがあったのを覚えています。

学校環境はなんとかクリアしたのですが、
家庭環境を変えるのはかなり難しく、
実は全ての身内と話せるようになったのは
それから数年後だったと思います。
そのきっかけは、いとこの2番目のお姉ちゃんが与えてくれました。
その人には不思議と人の心を開く力があり、
何かの言葉をきっかけにすっと話せるようになりました。

場面緘黙症で今悩んでいる方ならわかるかもしれませんが、
そういう人は雰囲気で「この人なら大丈夫だ」ってわかるんですよね。
身内と話せるようになった時は親戚含め、祖母や母も一緒だったので、
その後、母が泣いていたのを覚えています。

中学校を卒業してからの人生の選択方法も、
なるべく自分が成長できる、変われるような選択をするように心がけました。
すると、驚くことに全てが良い方向に変わっていったのです。
大変なことも多々ありましたが、思い返すと自分にとって必要な経験だったと今なら言えます。
その後歩んできた人生についても、今後ここで共有していこうかと思っています。

周りの人のサポート

本人も苦しい思いをしていますが、サポートをしてくれている周りの人達も
それはそれは大変だったと思います。
周りの人がどういったサポートをするべきなのか、
正確な答えがないのではっきりとは言えませんが、
私なりに感じた必要なサポートを3つ絞ってみました。

①この症状を持っていることを責めないこと
②本人が安心できる居場所を作ってあげること
③「はい」「いいえ」で回答出来る質問をしてあげること

①この症状を持っていることを責めないこと
私が当時決まってよく言われていたのが、
「なんで喋らへんの?」「喋ったらいいのに」「喋らなわからへんやん」です。
確かに普通に話せる人からすれば当たり前のことです。
しかし、場面緘黙症を持っている人にとってはそんな当たり前のことが当たり前ではないのです。
だから、それを言われた時には「責められている」「喋らないといけないんだ」と感じ、
焦りや不安、そしてさらに自分を追い詰めてしまう原因にもなってしまうんじゃないかと思います。
ですので、その症状を持っている人がいたら、どうかその状況を受け止めてあげて欲しいです。

②本人が安心できる居場所を作ってあげること
この症状を持っている人は自分が話さない分、人の話をよく聞いていてとても繊細なので、
自分のために居場所を作ってくれている
ということは言わなくてもしっかりと伝わります。
喋れる時の居場所、喋れない時の居場所それぞれに
本人が落ち着ける、安らげる場所を作ってあげることはきっと大きな支えになります。

そしてもし本人が何かを伝えたそうにしていたり、伝えてくれた場合は、
出来るだけ驚いた様子など見せずに、今までと同じように接してあげてほしいです。

また、「どうしても話さなくてはいけない場面」に接したときに話せなかった場合、
その後かなりのトラウマになってしまう場合があります。

なるべくそのような場面に、本人の了解なしに無理やり連れて行くなどの行為は避けた方が良いと私は思います。

③「はい」「いいえ」で回答出来る質問をしてあげること
私の場合、場面緘黙症ですが好奇心旺盛でした。
なので、殻にとじこもって誰とも関わりを持たないという類ではなかったので、
話せなくてもコミュニケーションは取りたかったのです。
ややこしいですよね;
当時、私の友達はこの症状に慣れ、よくやってくれていたのが、
「はい」「いいえ」で答えられる質問をしてくれていたということです。

そして、そのような回答で答えられないことに対しては、
友達自体も自分が言いたいことを紙に書いてやりとりしてくれていました。
もちろん全てのやりとりがそのようになっているわけではありませんが、
例えば友達が、「これ、どう思う?」と口頭で言ってきたとしたら、
当たり前のように紙とペンを渡してくれる。そんな環境に救われました。

こういう時、子供ってすごいな~と思います。

後遺症はあるのか?

私は長い間話せなかっただけあって、昔の私を知っている人と話すときは、
今でもどぎまぎしてしまうことがあります。

そして、少人数ではなく4人以上の大人数で話すとなれば口数が少なくなります。
といっても「少し人見知り程度かな?」といったレベルです。

ただ、既に慣れている友達たちと話す時は平気です。
あまり仲良くない人や、知り合ったばかりの人と話すのは、
慣れるまでに少し時間がかかります。
ただし、「この人は大丈夫だ」という空気感を持っている人とはすぐに打ち解けることが出来ます。

たとえば自分が望んでいないけれど、
大多数の人と話さなくてはいけないタイミングが訪れたとします。
その時は、首が動かなくなります。
動け!!と無理やり動かそうとしても、金縛りにあったかのように動かなくなります。
これは今でも本当に治りません。
なので送別会や歓送迎会などの挨拶の時は、
バレないように努力していますが、実は首が固まっています。笑
その後の首と肩のコリは半端ないです。

また、最近あったことですが、
大人になってから久々に「喋らないといけない」という威圧感を感じることがありました。

私は海外のチャーチソングが好きで、たまに教会に行って聴いていたのですが、
日本人教会はどんな感じだろう・・・と入ってみたのです。

入口で簡単な自己紹介カードを書いたら、
礼拝が始まる前に皆の前で私のことを紹介されました。
それだけにとどまらず、紹介された人はその場で立って職業についてなど説明しなくてはいけなかったのです。

ただ単に

「なぜ初対面で気を許していない人に自分のことをそんなに話さなくてはいけないのか」

という疑念もありましたが、笑
大多数の前でいきなり自己紹介をしなくてはいけないという場面が苦痛でした。

前もって、

「この紹介カードを元に皆の前で発表させてもらうので、あらかじめ一言考えておいてくださいね」

など説明されていれば心構えできるので全然大丈夫でしたが、

あまりにも突然すぎて久々に話すことにストレスを感じてしまいました。
この出来事は、もし現時点で場面緘黙症を患っていたら結構なトラウマになった気がします。

あくまで個人的な意見ですが、場面緘黙症の症状を持つお子様などいらっしゃる場合は、
このような場所へは(連れて)行かない方が良いかと思います。

ただ、現在話せるようになった今は、
なるべく話せる機会から逃げ出したくないとは常に考えています。

今悩んでいるあなたへ

もし、今あなたが場面緘黙症で悩んでいるなら、
今後のあなたは可能性に満ち溢れています。
どうするかは自分次第ですが、もし行動したのなら
眠っていたパワーが必ず発揮される時が来るはずです。
(なんか胡散臭い占い師みたいなセリフ;)

その先に何が起こるかわからないから、
何かに立ち向かうことはとても怖いです。
でも、その怖さを乗り越えて達成できた時は、
計り知れない感情が込み上げてきます。

あきらめることはまだ早いです。
生きている限り、大人であれど挑戦してみることに価値はあると思います。

何かを変えてみたいと思っている人を、
私は応援し続けます。

これが誰かの背中を押してあげられる記事になれば嬉しいです。

下記の記事で、克服した後の人生について書いています。
良かったら覗いてみてください。

場面緘黙症について~克服したら人生変わった~
高校時代から現在までを簡単にご紹介しています。克服してからの人生がガラッと変わったので、これから変わりたい!と思っている方を応援する意味で、今回私の歩んできた道をご紹介しました。少しでも希望を持って、明るく生きて行ってもらえると嬉しいです。

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