突然ですがあなたに質問です。
下記の文章はどちらも登場人物Aの性格を表現したものですが、あなたはどちらの文章の方が素直に受け取りやすいですか?
A:「僕は頭の回転が速くて気が利くとても優しい男です。」
B:「Aくんは頭の回転が速い上に気が利いて、すごく優しいやつなんだよ。」
Aは自慢げで嫌味っぽく聞こえてしまうかもしれません。
少数派の意見もありますが、これを見た大半の人が「B」を選ぶ傾向にあります。
このような傾向を「ウィンザー効果」と呼びますが、自分でも気が付かないうちに日常生活でこのウィンザー効果を取り入れていることが多々あります。
今回はそのウィンザー効果についてまとめました。
ウィンザー効果とは?
上記で行った質問のように、当事者から直接受け取る情報よりも、第三者から間接的に受け取った情報の方が、より信憑性が増す心理効果のこと。
信憑性が上がることにより信頼性アップにもつながり、より対象となる人のことを信頼しやすくなるという結果が出ています。
ウィンザー効果の由来
ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」(アーリーン・ロマノネス作)に登場するウィンザー伯爵夫人が作中で、
『第三者の誉め言葉が、どんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね』といった台詞があり、
その伯爵夫人の名に因んで名付けられたのが由来とされています。
ウィンザー効果は英語でなんて言う?
英語でウィンザー効果をなんというのか調べてみました。
直訳でもあり、検索候補にあがっていた「windsor effect」を元に英語のサイトで調べてみましたが、
日本人が使っている「ウィンザー効果」として一致する意味合いのものは英語のサイトにて見つけられませんでした。
そこで、「伯爵夫人はスパイ」の英語版「The Spy Went Dancing」より、近い意味合いのものを検索してみたもののヒットせず、ウィンザー効果とは小説の日本語翻訳版から派生したもので、海外にはまだ普及していない言葉ではないかという結果に至りました(個人的見解)。
あえて英語で表現するとしたら第三者からの称賛を意味する「Third party praise」が近いかと思います。
ウィンザー効果は方法次第で様々な用途に活用できる
・マーケティング・営業
実は、これまでに何度も見たことのある広告などにもウィンザー効果が使用されているものが多々あります。
例えば、シャンプーに貼ってあるラベルで、
「お客様満足度第1位!」
などのフレーズに見覚えのある方も多いのではないでしょうか?
これもひとつのウィンザー効果と言えます。
自社でいくら「このシャンプーは至極の商品です」と言っても、
消費者は、
・本当なの?胡散臭くて怪しい・・・
と、思ってしまう傾向にあります。
その理由は、自分と相手が直接繋がっている場合、利害関係が生じてしまうためです。
しかし、第三者が間に介入することにより、その利害関係がなくなります。
「このシャンプー、抜け毛が少なくなった上に髪の毛がサラサラになって良かったよ!」
など実際に商品を利用した人の声を聞くことで安心感が生まれるのです。
そこで、「お客様の声」など第三者が評価したラベルや文言を目に見える位置に貼ることにより、
消費者はその商品が本当に良いものなんだ・・・と商品に対しての信頼を得ることが出来ます。
これは販売や営業にも活かすことができます。
「お客様の声」もそうですが、雑誌や新聞に掲載されている情報を切り取って見せることで、
第三者からの支持があるんだと認識させることができ、説得力が増します。
また「お客様の声」としてわかりやすく効果があるのが、
Amazonや楽天、食べログなどの口コミやレビューです。
これらのレビューを参考にして商品を購入したり、レストランへ行ったことがある方も多いのではないでしょうか?
しかしまれに、店舗側が業者にお金を支払って良いレビューをつけてもらう・・・
などのやらせレビューが存在しているので、その点は要注意です。
・恋愛
ウィンザー効果は恋愛にも使えます。
これは筆者が実際に経験したことで、私がオフィスで働いていた時のことです。
Aさん:元気で明るく可愛くて仕事が出来る女性
Bくん:部署は違うけれどたまに遊ぶグループのうちの一人で男性
私の仕事をAさんに引き継ぐ関係で、毎日Aさんとは話していました。
Aさんは指摘する所がないのでは・・・?というぐらい、私からすると完璧な女性でした。
そこでBくんに対して私が、
「Aさんハイスペックすぎる。元気で明るく可愛くて仕事が出来る上に、話もわかりやすくて尊敬するところしかない。」
という話をしていたのです。
以前は関わりのなかった2人でしたが、とあるきっかけで共通点ができ、デートをするようになりました。
そこである時Bくんが私に対して「○○(私)がめちゃめちゃ押してたから余計気になったんだよね」
的なことを言われたのをうっすら覚えています。
そして結果的に2人は結婚しました。なんとめでたいお話!!!
もちろん結婚まで至ったのは2人の相性が良かったというのが一番ですが、
第三者が間接的に誉めることは、お互いを理解するきっかけになり、恋愛にも少しは効果的だということがわかりました。
・子育て
マーケティングや恋愛だけにとどまらず、子育てにもウィンザー効果は活用できます。
親が「勉強しなさい」と言うよりも、
「先生が○○(子供の名前)のこと、すごく頑張ってるって誉めてたよ!」
と言ってあげた方がやる気が出て力がみなぎるという結果が出ています。
たしかに、頭ごなしに言われて強制的にやらされるよりも、
自ら勉強したいって思った方が確実に伸びて本人も楽しいと実感できますもんね!
マイナスなウィンザー効果も!?
・悪口や噂話
これまででご紹介してきた通り、良い印象を与えるのに最高のウィンザー効果。
しかしながら、これらが悪口や噂話として利用されているのも現実としてあります。
子供の頃特によくある、
「○○が君の悪口言ってたよ」
というような類の話。
悲しいことに悪い噂は、良い噂以上に早く回ってしまいます。
しかし、悪いことを広めると、いつか何かしらの形で自分の元に必ず返ってきます。
悪口や噂話などマイナスなことは、本人に直接確認するまで信じないのが一番ですね。
まとめ
生活している間にも気付かないうちにウィンザー効果を取り入れていることがわかりました。
私も商品などを購入する際などはレビューなどを見てしまう傾向にあります。
しかし、一番は自分で確認すること。
第三者の声ばかりを頼りにしてしまうと、自分らしさがなくなってしまい、自分の意見が言えなくなってしまうかもしれません。
確実に有効活用できる良い部分は積極的に取り入れつつも、自分を信じていきましょう^^
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