葬儀といえばしめやかに執り行われ、笑ったりすることは基本的にご法度。
しかし、今ひとつ世界で話題になっている動画が人々の心を動かしています。
百聞は一見に如かず。こちらの動画をご覧ください。
「Let me out!(出してくれ!)」棺から聞こえてくる声
参列者が悲しみに包まれる中、突然音楽が流れ出します。
何?何が起きてるの?
と困惑気味の参列者。
数秒後・・・
「Hello?(もしも~し?)」
とトントンと棺を叩く音と共に、棺の中から声が。
「Let me out!(出してくれ!)」
この一言でその場が笑いに包まれます。
続いて、
「Hello? Let me out. It’s f – ing dark in here. Where f*** am I? Is that the priest I can hear? What the F***!! Let me out! Hello! Hello! Stop the band! Stop I can hear you! Hello! Hello! Please… Hello… Who’s there!? Hello? This is Shay I’m in the box. No! in f***ing front of you. I’m there. You better hear that.」
(もしもし?出してくれ!クソ暗いじゃねぇかここ!俺はどこにいるんだチクショー。その声は神父か?なんてこった!出してくれ!おーい!おーい!演奏を止めろ!止めろ!聞こえてるんだぞ!お~い!お~い…頼むよぉ~…お~い…誰だ!?おい?シェイだよ!俺は箱の中だ!違う、目の前だ!俺はそこだよ!これを聞かせるしかねぇ!)
スラングが入っているので正確に訳すのは難しいですが、ニュアンスはこんな感じ。
下線を引いた部分が「I’m dead(俺は死んだ)」と報道している所が多いですが、良く聞くと「I’m there(俺はそこだよ)」と言っていることがわかりました。
司祭と会話している様子ですね。
続いてシェイさんは歌いだします。
「Hello again hello, hello I just called to say goodbye.」
(ハロー、また会いましたね。ハロー、これだけ伝えたかったんだ。さようなら。)
Aww・・・と泣き笑いに包まれる参列者たち。
この歌はNeil Diamondの「Hello Again」という曲をアレンジしたもの。
「I’ve already died I’m afraid to say. Hello again Hello.」
(残念なことに俺は死んじまった。ハローアゲイン、ハロー)
そう、これは埋葬されると同時に、「生前に録音しておいた自分の声が再生されるように仕掛ける」といったシェイさんの最後のドッキリだったのです。
ドッキリの経緯
妻のアンさんによると、「息子が葬儀の前日にこの録音について教えてくれた」
と明かし、この録音は葬儀が行われる1年以上も前に、たったの1テイクで撮られたそうです。
そしてこのことについては、最も近い家族だけが知っていたと説明しました。
これだけ人々を笑いと涙に包ませることが出来るものを1テイクで撮れるとは、普段からユーモア溢れる人柄だったに違いありません。
そしてこの動画は娘のアンドレアさんが、
「My dad’s dieing wish, always the pranksters, ya got them good Poppabear 😉 and gave us all a laugh just when we needed it!! I will love you forever 😘」
(父の最後の願いです。いつもいたずら好きな父。やったね!皆を笑わせたよ!そしてたくさんの笑いを私たちがちょうど必要とした時に与えてくれました。永遠にあなたを愛します。)
という愛のメッセージと共にFacebookに載せた動画がSNSで話題になり、たちまち世界に知れ渡るようになりました。
It’s not very often we pass our condolences onto people we don’t know online but I feel I have to. This is how you merge tragedy and laughter together and create an amazing memory for those left behind. Actually laughed a lot at this but with a somber tone. My condolences to you.
— 🎭 (@HardHittingHero) October 13, 2019
(オンラインで知らない人にお悔やみの意を表すことはあまりありませんが、そうする必要があると思いました。これは悲劇と笑いを融合させ、残された人々にどれだけ素晴らしい思い出が残されたことでしょう。実はかなり笑いました。でも落ち着いたトーンで。お悔やみ申し上げます。)
日本でも広まったツイート
埋葬されるタイミングで、生前に録音しておいた自身の肉声が再生されるよう仕掛けておき、葬儀参列者の笑いを誘うアイルランド人男性。笑いのユーモアが生と死を超越している。pic.twitter.com/IZI2q3zvt4
— Chihiro Muranaka (@chivillain) October 13, 2019
死=悲しみ、って違うやんって思われた方なんでしょうね。
「こんな時だからこそ笑かしたい」
そんな風に私もなりたい。— tetsuharuokamoto (@tabibitotetsu1) October 14, 2019
最後に笑顔にさせるなんて泣かせるねぇ(;_;)
— たる (@rock_the_bell) October 14, 2019
心温まるいたずらを仕掛けたShay Bradleyさん
家族はこう言います。
「彼はいつもいたずら好きで、既存の枠にとらわれず、いつも家族を笑わせたいと考えている人でした。」
シェイさんは長い病気にかかり、2019年10月8日に62歳で息を引き取りました。
娘のアンドレアさんはツイートでシェイさんの元気な姿の写真を載せています。
Here is a picture of the legend himself. My dad, Shay Bradley. It was his dieing wish that we played this at his funeral. What a man…. To make us all laugh when we were incredibly sad….. He was some man for one man…. Love you forever Poppabear #Shayslastlaugh pic.twitter.com/YkG2ecKAaL
— Andrea (@Andrea36496119) October 13, 2019
そして彼女はツイッターで次のように述べています。
「父はきっと何人の人が笑ったのか知りたいと思っているはずです!!!彼は素晴らしいキャラクターの持ち主でした。」
お父さんは自分の葬儀の様子を天国で笑いながら見ていたかもしれませんね。
この動画で皆からどれほど愛されていたか、どんなに素敵な人柄だったのか伝わります。
最後までまわりの人を笑顔に出来るって素晴らしい。
シェイさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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