人々から愛された「シュレック」の物語
昔々(といっても1998年)、タラスという小さな村の放牧場に「シュレック」という1匹の羊がいました。
飼い主の名前はジョン・ペリアム。
羊たちは群れとなって放牧されていました。
ある日のことです。
突然シュレックが群れの中からいなくなってしまったのです。
何を隠そう、シュレックは1年に一度の毛刈りが大嫌い。
それを逃れるために、脱走を図ったのです。
逃亡してから数年が経ち、ジョンは「シュレックはもうどこかで息絶えているだろう」と思っていました。
しかし、その羊がいなくなってから6年が経った頃…
洞窟の中で過ごしている羊を発見。
変貌を遂げたシュレックの姿
その羊が、6年前に姿を消したシュレックだったのです。
発見された当時のシュレックは、ジョンが知るシュレックとは全く異なる風貌となっていました。
その後シュレックは6年間も逃亡し続けた羊として一躍有名になり、ニュージーランドの人々に愛されました。
ジョンからはシュレック専用の小屋やショールームなどが与えられ、一躍スターとなったのです。
体がどんな形をしているのか、わからないぐらい大きくなったシュレック。
とうとうテレビの生放送で毛を刈るところが放映されました。
なんと刈られた毛の総重量は27kg。
大人の男性スーツが20着も作れる程の量だったのです。
その羊毛はオークションにかけられ、それで得たお金は慈善団体「Cure kids」へと寄付されました。
シュレックを元に描いた児童書や写真など世界的な宣伝により、推定1億ドルもの経済効果があったと言われています。
国家的象徴となったシュレックは2004年、当時のニュージーランド首相であるヘレンクラークの元に招待され、シュレックが10歳になる誕生日をお祝いをされました。
しかし2011年6月、シュレックの健康状態は悪化しており、獣医のすすめによって安楽死となることに。
人々に惜しまれながらも16歳で人生の幕を閉じたのです。
通常の羊であれば6年もしない間に殺されてしまうところを、人々に愛され16年間も生き続けられたのは奇跡と言っても過言ではありません。
そこで!ニュージーランドにお住まいの方や旅行を考えている方にちょこっとご提案。
そのシュレックの軌跡が見れる場所が、タラスという場所にあります。
正確な住所はGoogleに載っていないのですが、Tarras Storeという場所のすぐ隣に展示されています。
入場料は無料でシュレックの毛やはく製、生い立ちなどを見ることができます。
クライストチャーチやマウントクックからクイーンズタウンを目指して車移動される方はぜひトイレ休憩などで立ち寄ってみてください。
住所:2792 Tarras-Cromwell Road, Tarras 9383
サイトURL:https://www.southproud.co.nz
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